【レシピ】コツは煮込まないこと。おでんのポイント | サリーの「おいしい」を科学する料理塾

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すっかり寒くなって、温かい鍋物が食べたい季節になりましたね。

今週のほっかほかラジオ「サリーのおいしいを科学するレシピ教えます!」のコーナーでは、おでんの作り方についてお話ししました。

 

 

おでんの具に味を染みさせるには、よく煮込むこと……と思っていませんか? 具を煮崩れさせず、しっかり味を染みさせるには、煮込まずじんわり火にかけるのがポイントなんです。

 

温度が高い方が、具に味が早く染み込みますが、同時に野菜が軟らかくなったり、卵やこんにゃくが硬くなったりする反応も進みます。野菜は80℃以上で軟らかくなる反応がよく進むので、70〜80℃くらいの温度を保ってじんわり温めましょう。細かい泡がプツ、プツと上がり、湯気が出て水面がゆっくり揺れるくらいが目安です。鋳物の鍋や土鍋など、厚手の鍋を使うと、ちょうど良い温度を保ちやすく、火を止めてからも温かさが続くので具に味を染みさせるのにぴったりですよ。

 

 

おでん

材料(4人分)

具(一例、お好みのものを入れてください)

 卵 4個、こんにゃく 1枚

 大根 1/2本、じゃがいも(メークイン)2個、にんじん 1本

 練り物(適宜)、餅巾着など

出汁 2リットル、薄口醤油 大さじ6、みりん 大さじ3、塩 ひとつまみ

練りカラシ

 

作り方

1. つゆをつくる

出汁に薄口醤油とみりんを加えて一煮立ちさせ、塩で味を整える。

ここに下ごしらえをした具材をどんどん入れていく。

 

2.下ごしらえ

根菜類(大根、にんじん、じゃがいもなど)

・  皮をむいて適当な大きさに切る。大根は2〜3cmの輪切り。 にんじんは皮をむいて3〜4等分。ジャガイモは大きめのものなら2等分、小さめのものなら丸ごと。

・  竹串がすっと通るまで下ゆでする。

<POINT>

大根や人参は、かぶるくらいの水を入れて強火で加熱し、沸騰したらぐつぐつするくらいの火加減で茹でると軟らかくなりやすい。じゃがいもは、中火くらいでゆっくり沸騰させてから茹でるとじゃがいもの外側が硬くなって煮くずれしにくくなる。

 

こんにゃく

・  たっぷりの塩をまぶして5分置いたら、沸騰したお湯で3分ゆでる。

<POINT>

2〜3mm幅で網目状の隠し包丁を入れる。味がしみやすいだけでなく、噛んだときに細かく砕けやすく表面積が増すため、味を感じやすい。

 

・  沸騰したお湯に入れて8分ほど茹でる。水でさまして殻を剥く。

・  つゆで煮る際にさらに日が通るので、半熟くらいに仕上げると良い

 

3.味を含める

下ごしらえをしたおでんの具(練り物以外)を、おでんのつゆに入れて70〜80℃前後で20分ほど温めて味を含める。火を止め、半日〜一晩寝かせると良い。

一晩置く場合、卵は他の具と一緒に加熱せずつゆに浸すだけにしておくと、火が通り過ぎなくておいしい。

 

4.仕上げ

食べる前に、鍋を火にかけ、80℃くらいを維持するように火加減を調整する。

油抜きした練り物などを入れて15分ほど温めたら出来上がり。